就職決定までのストーリー
時間ばかりが過ぎてゆく
先行きに不安だった自分が
わずか1ヵ月で就職できた
- 40代
- ビル管理
学生時代に留学渡米し現地での就職を志すも事情により帰国し、非正規社員として十数年にわたってテーマパークで商品販売を担当。リーダーとして管理業務にも携わる。その後、再渡米して日本食レストランの店長を務めるが、店舗閉鎖のため帰国。ハローワークなどで職を探すがうまくいかず、45歳からの未来デザインプログラムに参加。1ヵ月後に総合ビルメンテナンス会社のクリーン業務部門に契約社員として入社した。その4ヵ月後には正社員になり、グローバル企業店舗の現場責任者として活躍している。
正社員になるのは無理だろうと
思っていた
私は学生時代、米国に留学していて、そのまま現地で働きたいと思っていました。でも、諸事情で帰国せざるを得なくなり、非正規社員としてテーマパークで働きながら、米国で働く道を探していました。そんな状態が十数年続いた後、サンフランシスコの日本食レストランで働けることになりました。けれども、約1年半で店が閉鎖することになり、46歳の時に帰国しました。
帰国後はテーマパークに戻ることも考えましたが、非正規社員では将来に不安が残ります。だからといって、正社員を目指して就職活動をしても「きっと無理だろう」と思いました。年齢が高い上、自分には取りえがないと思っていましたから。
それでも、ハローワークや行政の相談窓口などには行きました。しかし結局、就職先は見つからず、時間ばかりが過ぎていきました。貯金も減っていき、先行きの生活に強い不安を感じてきました。
「とにかく働いてみよう」
東京しごとセンターを訪ねたのは、そんな時です。そして、担当の就職支援アドバイザーから、このプログラムの説明を受け、その場で申し込みました。
プログラムでは、セミナーを受けたり、合同企業説明会や職場体験にも参加し、自分にあった就職先を探しました。最後まで候補として残ったのは3社です。その中で、私は大成株式会社を選びました。なぜなら、清掃の仕事は、テーマパークでも日本食レストランでも経験があったからです。
また、契約社員から始まるという条件も、心のハードルを低くしました。「とにかく働いてみて、もし自分に合わないようだったら他の職種を考え直そう」と思えたからです。入社は2017年11月。プログラム参加から1ヵ月で就職することができました。
入社4ヵ月で正社員登用、現場責任者に
入社してわかったのは、クリーン業務には専門知識が必要だということです。お客様によってニーズがまちまちですし、建材によって洗剤や清掃方法も異なるからです。私の清掃経験とはまったくレベルの異なるものでした。
そんな私に任された仕事は、英語の翻訳です。有名なグローバル企業である新規取引先の清掃にあたって、お客様から提供されたマニュアルを和訳することになりました。後でわかったことですが、私が履歴書に「英語が得意」と書いたことに対して、会社が期待してくれていたようです。
そうして入社4ヵ月ほどが経った時、そのお客様の店舗清掃の現場責任者として異動するとの辞令を受けました。それを機に正社員にも登用するとのことです。急な話で驚きましたが、喜んで引き受けました。
さらに経験を積んで、より規模の大きい現場へ
1年半が経った現在、同じ現場の責任者として働いています。清掃のプロとしての専門知識はまだ勉強中ですが、マニュアルがありますので日常業務で困ることはありません。他のスタッフともうまくコミュニケーションできていると思います。
また、お客様はフランクに話しかけてくれる社風で、英語を活用することもできます。正社員になったことで、経済的にも精神的にも余裕が持てるようになりました。
ジョブコーディネーターの方には、本当に感謝しています。私の状況を理解してくれた上で親身になって、そして、具体的なアドバイスやサポートをしてくれました。
今後は、さらに経験を積んで、より規模の大きい現場を任せていただけるように精進していきたいと思います。
人材像は「元気」と「笑顔」
弊社のクリーン業務は、オフィスビルや複合ビルの日常的な清掃が中心となります。特に床面や水回りなど利用頻度の高い個所を、材質などに合わせて適切かつ迅速に清掃することが求められます。ただ、専門的な知識は入社後に少しずつ覚えてもらえれば問題ありません。
求める人材像として重視しているのは、元気と笑顔です。体を動かす仕事ですので、なによりも健康であることが求められます。また、お客様にあいさつをしたり、質問に答えたりするコミュニケーション力も大切になります。
将来は100人規模をまとめる人材に
私がKさんと初めて一緒に仕事をしたのは、Kさんが入社して5ヵ月くらい経ったときです。まだ清掃の知識は十分ではありませんでしたが、非常にまじめで、わからないことがあればすぐに質問するコミュニケーション力もありました。ミドル層だからこそ、過去の社会経験が活かされているのだと思います。
また、英語が堪能であることは、会社にとってたいへん助かりました。お客様からの評価も高く、Kさんのおかげで受注店舗数も増えています。
現在はスタッフ5人の現場責任者ですが、今後はさらにレベルアップをして、100人規模の従業員をまとめられるような人材になってもらえればと期待しています。
個性と経験を活かしてください
もっとも、Kさんの場合はたまたま英語が得意でしたが、みなさんに英語力を求めるわけではありません。一人ひとりが持っている、オリジナルの個性を活かしていただければと思います。
その意味で、45歳からの未来デザインプログラムに参加される方は、さまざまな社会経験を積んでいらっしゃいます。そうした経験は、何らかの形で活かすことができるはずです。みなさんも、合同企業説明会や職場体験で、ぜひご自身の個性・経験をお話しください。
また、もしかすると、清掃の仕事に対してマイナスイメージを持っている人もいるかもしれません。確かに、きつい・きたないと思われがちな仕事です。しかし、社会にとって清掃は必要不可欠で、ビルを使用する人々に役立つ価値ある仕事です。プログラムでご縁があることを楽しみにしています。
取材協力:大成株式会社
https://www.taisei-bm.co.jp/沿うことができた
Kさんは、経済的な理由から早期に働きたいとのご希望でした。ただ、ご本人の興味や特性に近い仕事でなければ、就職後に苦労することがあります。そうしたことを最初の面談でじっくりとお話しして、ご本人の意思を尊重しながらプログラムを進めました。幸い、クリーン業務は、Kさんにとって望ましい仕事とのこと。しかもKさんは英語に長けていて、「英語のできる現場スタッフがほしい」という会社のニーズとマッチしました。その結果、1ヵ月という早さで就職を決められました。
今後も、一人ひとりの意思と事情に沿った、ご支援を続けていきます。